SEMINAR セミナー

2018.3.23

5回連続セミナー「『場作り』戦略総務スペシャルプログラム」
第2回「従業員エンゲージメント、感情データ解析技術」開催レポート

第1回「企業価値の向上、健康経営」開催レポート

株式会社パソナ日本総務部(以下、当社)では2018年2月より、5回連続セミナー「オフィス革新セミナー2018『場作り』戦略総務スペシャルプログラム」を開催しています。
本セミナーは、企業の喫緊の課題でもある「企業の生産性向上」について、場作りの視点から掘り下げて考える連続セミナープログラムです。第2回は「従業員エンゲージメント、感情データ解析技術」をテーマに開催いたしました。今回より最終第5回まで、月刊総務の豊田健一編集長にファシリテーターとしてご参加いただいております。

はじめに、当社より経営と総務のおかれている現状を説明いたしました。

「経営と総務、のミッションの結びつき」サマリー:
本来、経営と総務は、企業価値の向上を目指す、という同じミッションを持っていると考えています。つまり経営と総務は、戦略的に一体化した動きを取るべきです。しかし、現状において、経営はEPSやPER、ROEなどに代表される財務的な指標を追い、総務の現場は、オフィスの環境改善や労働環境の整備に奔走しています。

例えば、従業員の会社に対する思い入れや愛着心を表す「従業員エンゲージメント」は、高い業績が結果として従業員エンゲージメントを向上させるのではなく、従業員エンゲージメントの高さが業績に大きな影響を与え、業績向上に繋がる、という調査結果があります。この示唆をヒントに、今回のセミナーでは経営と総務が「従業員エンゲージメント」をいかに考えるべきかを皆さんと学んでいきたいと思います。

その後、株式会社EmotionTech(エモーションテック)マーケティング部部長の須藤勇人氏より、従業員エンゲージメントの重要性と、その指標であるeNPSについてお話いただきました。

須藤勇人氏 講演「従業員エンゲージメント、感情データ解析技術」サマリー:
eNPSを通した企業と従業員の関係性確認がもたらす効果

eNPS(employee Net Promoter Score)は、従業員が企業で働くことで得た、その企業への愛着度や信頼度を数値化した指標で見ることができます。「現在の職場で、これからも働き続けたい」と思う従業員を増やし、その従業員がモチベーション高く、継続して長く働くことで、結果的に企業の収益増大が実現すると考えています。

eNPSは顧客ロイヤルティを可視化する指標であるNPS(Net Promoter Score)を起源としています。NPSとは、2003年にベイン・アンド・カンパニーのフレドリック・F・ライクヘルド氏が提唱した顧客ロイヤルティを可視化する指標として発表され、現在でもフォーチュン500企業のうち3分の1以上がNPSを活用していると言われています。eNPSは、元々NPSを活用していたアップル社が、店舗で働く従業員のロイヤルティマネジメントに活用したことにより、急速に普及しました。

eNPSでは「親しい友人や家族に現在の職場をどの程度勧めることができるか」というシンプル且つ究極な質問を行うため、高得点をつけようとする心理的なハードルが高く、正確にロイヤルティを把握することが可能です。実際にeNPSが高い組織では、離職率が低く、また高い業績を達成しやすいことがわかっています。eNPSの結果は業界平均比較等で行う絶対評価ではなく、同じ環境で働く従業員からの相対評価で考えることが重要なため、その評価を上げるために職場の環境を整えることが、従業員のモチベーション向上に繋がり、ひいては生産性向上に結び付くのです。
このように従業員のための「場作り」をする中で、eNPSを活用することが、企業の業績向上にも繋がると考えています。

須藤氏の講演後、豊田氏のファシリテートのもと、経営から現場の視点まで、幅の広い質疑応答や意見交換が行われ、参加者のeNPSへの関心度の高さが伺えました。


【講師紹介】

株式会社EmotionTech
マーケティング部 部長 須藤勇人氏

大阪大学法学部卒業後、ソフトバンクグループ人事部門にて人事業務に従事。その後、IoTメディア・モバイルコマース領域にて起業、資金調達の実施などを経て現職。株式会社Emotion Techにおいては、マーケティング部門及びHR事業領域の責任者として、企業の顧客評価や従業員評価向上を推進。


BACK TO INDEX