コモレビズレポート

2019.4.25

「進化するワークプレースの本流!「バイオフィリックデザインオフィス」開催レポート

「進化するワークプレースの本流!「バイオフィリックデザインオフィス」開催レポート

パソナ・パナソニック ビジネスサービス株式会社(以下、当社)は、2019年4月25日に「進化するワークプレースの本流!バイオフィリックデザインオフィス」をテーマにCOMORE BIZ(コモレビズ)のセミナーを3部構成にて開催いたしました。
第1部は株式会社フロンティアコンサルティング 生駒 一将氏より「海外事例から見るバイオフィリアと働き方」について、第2部はグリーンコンチネンタル株式会社 代表取締役 中村 壮博氏より「人と植物の力を信じ、美しく世界を変える」をテーマにご講演をいただきました。第3部は「ワークプレースをライトプレースへ」をテーマにパネルディスカッションを行いました。

第1部
「海外事例から見るバイオフィリアと働き方」~ 緑のあるオフィスは何を意味するのか ~
株式会社フロンティアコンサルティング 営業推進部 IRE担当 リサーチャー 生駒一将氏

オフィスデザインや事務所移転、レイアウト設計を行う株式会社フロンティアコンサルティングにて、ワークスペース創出を行う生駒氏は、主に海外における最新トレンドを調査し、各プロジェクトに取り入れておられます。
世界4大テクノロジー企業のGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)が持つオフィスの共通点として、コーポレートキャンパス(広大な敷地内に仕事の作業場と共に、生活に必要な機能を内包するオフィス)の導入があります。この特徴の一つとして、広大な敷地に緑を敷き詰めてどこに居ても緑が目に入る環境や、公園を作り、その中で従業員が自由に仕事のできる環境を取り入れている点が挙げられるそうです。
なぜ、オフィスに緑を取り入れる企業が増えてきているのか、3つのポイントをお話しいただきました。

1.アライメント(人間と緑の接点増加)
現代では多くの人が、生活の90%を建物の中で過ごしており、このうち建物内で働く時間は生涯で10万時間あると言われています。バイオフィリア理論で「人間には生まれ持って『自然とのつながりを求める本能』がある」とされていますが、一方で世の中の働く環境の58%に緑が存在しないという調査結果があります。
都市部では人口集中により、ますます緑が失われる中、人間が緑と接する機会をアライメント(調整・最適化)することで、生産性の向上、ストレス対策、欠勤や離職率の低下、優秀な人材の獲得につながるとバイオフィリア理論で唱えられていることから、IT企業など効率化を重要視している企業は、緑をいち早くオフィスに取り入れているのです。

2.人材の確保、留保
アメリカの企業では、ミレニアル世代(18歳~34歳)の人材獲得の為にも、積極的にオフィスへ緑を取り入れています。これにはオフィスの緑化がトレンドであることや、ミレニアル世代が緑や自然を感じるものに強い関心を抱いていることなどが背景にあります。またミレニアル世代以外の従業員に対しても、ABW(Activity Based Working/いつでもどこでも働ける環境)の導入により、オフィス以外の場所で働く機会が増加する中、それでもやはり「一番働きやすい環境はオフィスである」と感じてもらう為にも、緑が豊富にあるオフィス環境が大切だと言えます。

オフィス環境については、従業員の席から見える風景によって、年間の「病気」による欠勤時間に差異のあることが、オレゴン大学による検証で明らかにされています。

・自然の景色が「見える」席の病欠………平均57H/年
・自然の景色が「見えない」席の病欠………平均68H/年

自然の景色を目にするかどうかで、病欠時間に11時間の差が生まれたのです。つまり緑のある空間が、人間に対して良い影響を与えるのだと言えるでしょう。

3.都市とオフィス
これからオフィスを構えるスタートアップ企業は、もともと緑の多い地域にオフィスを設置するなど、緑に囲まれる環境を手に入れる工夫ができます。しかし既に都市部にオフィスを構えている企業では、今の立地から大きく変化させることは困難です。つまり、都市部に緑のある環境をどのように作るかを、行政が考えることも重要です。
今日では、緑が人間にもたらす効果が一般的に浸透してきました。従来から企業が抱えてきた様々な課題が、緑の導入によって解決しやすくなっていることから、バイオフィリックデザイン・オフィスの実現が進んできていると言えるでしょう。

第2部
「人と植物の力を信じ、美しく世界を変える」~植物IoTが示す新しいグリーンオフィスの方向性~
グリーンコンチネンタル株式会社 代表取締役 テクノロジー統括 兼 空間デザイン統括 中村壮博氏

オーガニックの土作りから始め、植物事業を始めたという中村氏。植物×IoTで何ができるのか、これからのバイオフィリックデザイン・オフィスについてお話をいただきました。

1.植物×IoTの取り組み
当社は植物の状態を計測する「グリーンテック」というIoTを、埼玉大学と共同で開発しています。グリーンテックでは、植物が成長する過程をリアルタイムで測定することで、その植物が喜んでいる、つまり元気な状態なのか、または苦しんでいるのかを可視化できるようにしました。 このテクノロジーを利用し、どれだけ楽に、良い状態に植物を育てられるかを追求しています。

2.オフィス環境への植物導入と、その課題
インテリアに植物を取り入れることは、世界的にスタンダード化していると思います。日本でも商業施設やアパレル・美容・ウェディング業界などでの導入が進んでいますが、更に一般的なオフィスにも植物を取り入れたい、という要望を多くお聞きするようになりました。
とはいえ、実際にオフィスへの導入となると、上司や周囲への説明・説得のために「なぜ植物が必要なのか」の理由を求められるケースが多くあります。この時、植物が従業員にもたらす効果を、エビデンスで説明できることが大きな強みになると感じています。

3.植物と集中の関係
当社がフィットネスジムで行った実証実験では、人間の「集中」と植物には、強い相関関係があることがわかりました。この結果からも、オフィス内に植物を設置することは有効だと考えています。
ただ、植物には様々な特性があります。例えば人間にとって良い影響のある物質を放出する植物(放出系)や、空気中の有害物質や花粉などを吸着する植物(吸着系)、また時間帯や四季によって活性度合いが異なるなど、多種多様です。
思い描くオフィスのコンセプトに一致するような植物を、適切に選ぶ必要があると思います。
従来、植物は屋外で育てることが一般的でした。しかし現在はそのような固定観念が無くなってきていると感じています。これからも、オフィスのバイオフィリック・デザイン化はさらに加速していくと考えています。

「進化するワークプレースの本流!「バイオフィリックデザインオフィス」開催レポート

第3部
パネルディスカッション ~ワークプレースをライトプレース(人間に最適な自然環境)へ~

「日本において今後、バイオフィリックデザインはどのように進んでいくのか」「国民性による緑の感じ方の違いはあるのか」といった活発な意見交換がされた他、「オフィスにバイオフィリックデザインを導入する際に発生しがちな、社内からの疑問や要望を解決するためのアドバイス」「オフィスのバイオフィリックデザイン化の推移率が知りたい」「スタートアップ企業の集合オフィスへの導入や、コワーキングスペースへの導入事例の有無」など、次々と質問が上がり、参加者の関心の高さが伺えました。


【講師紹介】

生駒 一将氏
株式会社フロンティアコンサルティング 営業推進部 IRE担当 リサーチャー
アメリカでオフィスマネージャーを務めた経験をもとにオウンドメディア『Worker's Resort』を通して、海外トレンドやオフィステック、ワークプレース文化など、働く人を軸にしたオフィスのあり方を調査・発信中。

株式会社フロンティアコンサルティング
Worker's Resort

中村 壮博氏
グリーンコンチネンタル株式会社 代表取締役 テクノロジー統括 兼 空間デザイン統括
総合商社時代に海外で出会った土壌資源開発の一環として、IoTを活用した植物の生産事業を開始。帰国後2012年よりグリーンコンチネンタルとしてデザインとテクノロジーを活用した植物関連事業を開始し、全国有名ショップ、オフィス、商業施設を中心とした導入実績を多数有する。

グリーンコンチネンタル株式会社


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