REPORT コモレビズレポート

2018.6.7

5回連続セミナー「『場作り』戦略総務スペシャルプログラム」
第5回「場作りの価値・意義」開催レポート

第5回「場作りの価値・意義」開催レポート

パソナ・パナソニック ビジネスサービス株式会社(以下、当社)では2018年2月より、5回連続セミナー「オフィス革新セミナー2018『場作り』戦略総務スペシャルプログラム」を開催しています。
本セミナーは、企業の喫緊の課題でもある「企業の生産性向上」について、場作りの視点から掘り下げて考える連続セミナープログラムです。最終回の今回は総括セッションとして「場作りの価値・意義」をテーマに開催いたしました。

今回は一般社団法人ファシリティ・オフィスサービス・コンソーシアム副代表理事 兼 東京支部長、岡田大士郎氏にご登壇いただきました。

岡田氏は、2018年2月に株式会社スクウェア・エニックスを定年退職され、在籍中は米国法人社長、本社総務部長を歴任されました。総務部長時代には、本社移転、大阪支社の移転という大規模プロジェクトを統括されました。
「社長を経験した総務部長」という希有なキャリアから生まれた「経営」と「現場」の両方の視点を活かし、現在は組織社会で働く人たちが人生の中でワクワクして働く「幸福働」を啓蒙する活動に取り組まれています。

岡田大士郎氏 講演「場作りの価値・意義」サマリー:

私は従業員がワクワクと楽しみ、喜びながら働くことを「幸福働」と呼んでいます。この「幸福働」の視点から「働き方改革」を考えると、これからの働き方は「ライフワーク・ハーモナイゼーション」があるべき姿だと考えています。従来の「ワーク・ライフ・バランス」は、仕事と暮らしを時間軸で明確に分ける事で、その調和を保つ考え方です。しかし知的生産性を必要とする仕事において、例えば日常生活のふとした瞬間に素晴らしいアイデアが降りてくる場合があるように、仕事と暮らしはシームレスであり、両者の協調が取れる働き方を目指すべきだと考えています。

また企業は、従業員個々の自発性を最大限に引き出す「タレントマネジメント視点」で運営し、優れた知識や知見が社内で共有される「ナレッジコミュニティ」を目指すべきだと考えています。従来の事業部制では、セクショナリズムによって自部署の評価を向上させるために、優れたアイデアやノウハウを抱え込みがちです。そこで、従業員が自発的に話し、コミュニケーションを取ることでナレッジを共有する「場」を作るべきだと思います。これらの実現には、「健康(サーガディアンリズム、ストレスチェック等)」「価値創造活動」「Living Workplace」「環境」「幸福度」といった要素を可視化する必要があります。

総務が主導して「働き方改革」を実現する方法に、「場」の環境整備や、脳科学・生理学といった人間科学に基づいたワークモードのデザインが挙げられます。そして「場」をどのように「幸福働」を実現する「幸福場」にしていくかについて、私は思考・発想や心身健康に影響を与える、人間の五感に基づいた「感性・五感投資手法」を提言します。

まず、「視覚」についてはオフィスの緑化です。科学的にも効果が実証されていますが、それ以上に「緑を見ると心地良い」という感覚があるはずです。また「聴覚」は、ハイレゾ音源などを利用した音による自然空間の演出が考えられます。「触覚」は、例えば当セミナーの第3回講演で紹介のあった「Think Lab」に導入されている、「集中を深める」「アイデアを膨らませる」というような、それぞれの目的に最適なデザインの椅子を用意する事などが挙げられます。「嗅覚」はフローラルマネジメントやアロマテラピー、「味覚」は食育をオフィスに取り入れる事だと考えています。

こうした「場」を実現するには、まずは経営層を説得することが必要です。しかし、投資対効果を予め明確に示すことは難しいことだと思います。総務部長としてスクウェア・エニックスのオフィス移転を行った際には、経営層に対して「投資」の視点からのストーリーテリングを続け、実は全てが仮説のまま進みました。しかし、オフィスの移転後には、開発した作品のヒット数が大幅に増加し、結果として業績に大きく貢献できたのではないか、と思っています。もちろん従業員個々の努力によるものではありますが、「場」が醸成した幸福感が彼らを支えたのも一因だと考えています。本来「場作り」は、従業員へ経営が果たすべき責任でもあると考えています。

岡田氏には、ご自身の経験も交えながら、全5回のセミナーを通じて訴えてきた「場作り」の重要性を総括頂きました。また今回も、第2回開催以来ファシリテーターを務めて頂いている月刊総務 豊田健一編集長による質疑応答セッションが行われました。冒頭には豊田氏からも何点か質問があがり、さながらディスカッションの様な盛り上がりに、参加者の皆様も真剣に耳を傾けておられました。
その後、参加者の皆様から「ワークとライフの中間にある、“サテライトオフィス”についての考えを伺いたい」「投資対効果の検証方法を知りたい」など次々と質問が上がり、活発に意見交換がされました。


【講師紹介】

岡田 大士郎氏
一般社団法人 ファシリティ・オフィスサービス・コンソーシアム副代表理事 兼 東京支部長(元 株式会社スクウェア・エニックス 総務部長)
社長を経験した総務部長という希有なキャリアで、組織社会で働く人たちの「幸福働」をプロデュースしています。


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