CASE 導入事例

vol.16 
ミサワホーム株式会社/モデルハウス

vol.16 ミサワホーム株式会社/モデルハウス

総合住宅メーカーのミサワホームが手掛ける住まいのテーマパーク『ミサワパーク東京』。今回、未来志向の空間づくりをコンセプトとしたモデルハウスを計画するにあたりパソナ日本総務部と協働しCOMORE BIZ(コモレビズ)を導入しました。
未来を見据えた空間づくりの中で採用に至った理由や住まいのプロが納得したエビデンスなどを技術部課長の堀内淳氏と商品開発部デザイナーの山下登教氏にお伺いしました。

 

ミサワパーク東京の概要を教えてください。

堀内氏 ミサワパーク東京は住まいの先進技術を実際に見て触れることのできる体験型施設です。この度、2030年に向けた未来住宅のプロトタイプとして施設敷地内に展示棟を計画しました。
今後加速する気候変動や人口減少などの課題に対し、当社が培ってきた住宅技術と最新テクノロジーの融合で未来の持続可能な住まいや、まちづくりを提案しています。

大きなコンセプトは「つながり」で、人と人、人と自然、住まいと地域や社会など、あらゆるモノ・コトがつながり、心身ともに健康に暮らしながら、社会に貢献できる新たな住宅の形を展開したいと考えています。

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堀内 淳 氏
技術部 施設設計技術課 課長

モデルハウスの概要とコモレビズを導入した場所を教えてください。

山下氏 当社はハウスメーカーという印象が強いかもしれませんが、保育園や高齢者施設などの非住宅も多く手掛けており、この先の10年、20年を見据え住宅についても「住まう」という単一の機能だけでなく、まちづくりやインフラとして役立つような提案をしていきたいと考えておりました。

今回提案するモデルハウスでは1Fのフレキシブルに活用可能な大空間にオフィス機能をもたせ、2Fにパーソナルな居住スペースという提案となっております。環境が大きく変化し、より働き方が変わっていく中で都市に集中してオフィスがあるのではなく、住宅街など、まちの中にあるワークスペースを意識して計画しております。

住宅メーカーとして培った設計ノウハウを活かし、リビングのようなくつろぎを感じられる空間デザインとオフィス特有の緊張感や集中力を保てるようなコワーキングスペースを提案したく、ストレス軽減のエビデンスに基づいたバイオフィリックデザイン提案のできるコモレビズとのコラボレーションを検討致しました。

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山下 登教 氏
商品開発部 商品開発一課 デザイナー

コモレビズを採用するに至った背景は?

堀内氏 植物が人間の心を癒し、リラックス効果を与えるのは一般的に認知されていますが、科学的なアプローチで証明した事例をあまり聞いたことがなかったので、とても興味を持ちました。特に緑視率に関して10~15%が最もストレス軽減効果があるのは驚きの一言でした。植物は多ければ多いほど良いと考えていたため、エビデンスに基づくデータをコモレビズの担当者から提示されたときは、エビデンス化に至った研究内容などを事細かに聞いてしまうほど興味深いものでした。
私自身が技術畑の人間のため、納得できる根拠を追及するこだわりは人より強いほうですが、コモレビズのエビデンスには高い信頼性を感じました。

山下氏 コモレビズは緑視率によるストレス軽減効果だけでなく、視覚以外にも着目している点も共感のポイントでした。特に聴覚への働きかけについては、ハイレゾ自然音のスピーカーと什器の一体化により、存在感を無くし周囲に馴染みながら、より高いリラックス効果が期待できると考え、導入できないかご相談させていただきました。

導入にあたりこだわった点はありますか?

堀内氏 空間のデザインは山下を中心に行いましたが、モデルハウスで植物を建材や什器と同列で構成するのは初の試みでした。これまでは建物を建て、什器を配置し、最後に植物をどう入れるかという流れでしたが、今回は緑視率の効果を最大限に活かすため、植物を中心とした空間づくりにチャレンジしたので、山下を始め、コモレビズの担当者とも植物選びや配置を何度も話し合いながら作り上げていきました。

また、ハイレゾ自然音の導入もこだわった点です。実際に自然音を何パターンか聞いたうえで鳥の声を選択し、かつ、朝と夕方の音を変えて1日のリズムを感じられるようにしています。

山下氏 私が特にこだわったのは培地、物の選定、什器ディティールの3点です。培地に関しては虫がつきにくくメンテナンスも容易なハイドロカルチャーを取り入れたいとコモレビズの担当者に相談しました。
また、植物の選定に関しては、一緒に農園まで足を運んで生産者の方に直接話を聞きながら、樹形や枝ぶりなど空間に合うものを選定させて頂きました。自分の目で見て選んだだけあって、永く愛着を持って育てていければと思っています。

什器に関してはABWを取り入れるにあたり、空間ごとに個性を出すことを意識しながらもリビングにいるようなまとまりのある雰囲気にしたいと考え、ディティールや仕上げの統一感を出すように重視しました。その中のひとつとしてコモレビズにお願いしたのはスピーカー一体のオリジナル什器のミニベンチです。ハイレゾ自然音のサウンドシステムを格納し、リラックススペースとして活用するだけでなく、植物は座ったときに葉の影がキレイに見えるよう配しながら空間のアクセントとして見えるようなデザインを依頼しました。

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導入後の反応はいかがですか?

堀内氏 当社のデザインポリシーは「シンプルイズベスト」で、これ以上削ることの出来ない最低限の要素で構成する考えです。そのため、正直に言うと、多くの要素を取り入れたことで社内の反応にやや不安もありました。しかし、実際にご案内した社内外の関係者から予想以上に高い評価を得て安心しています。
「これまでのミサワとは違う」を批判ではなく、評価されたことは今後の指標になるのではと期待しています。

山下氏 ご案内した関係者及び協業先のメーカー様からは「ここで仕事がしたい」「ここなら仕事が捗りそう」という声を頂いております。

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これからトライしたいことはありますか?

山下氏 このプロジェクトをきっかけに、コモレビズのエビデンスを一般住宅にも落とし込んでみたいですね。テレワークに集中できる空間を自宅に求めるニーズが増えてきており、オフィスのような広い空間ではなく2~3畳程度の限られたスペースでストレスを軽減し、新たに集中力を上げるエビデンスと空間づくりを協業で手掛けてみたいなと思っています。
また、戸建住宅の様に庭にある環境での提案として室内から外を見たときの緑を効果的にとりこみ、屋外を含めた緑視率設計がエビデンスの構築を含め、実現出来たら面白いと思います。

今後、コモレビズに期待することはありますか?

堀内氏 今以上のエビデンスが増えることを期待しています。例えば、エビデンスが取れている植物の種類や、それによる期待効果の知見を増やしたり、人間と植物の親和性に関する研究結果があるとより「共生」という考え方に繋がるので良いですね。
実証実験によるデータに基づいた数値は信用できますし、判断材料にもなりますから、今後も研究を進めていただけたら嬉しいです。

※本事例に記載の情報は初掲載時(2021年7月)のものです。

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名 称:ミサワパーク東京
導入先住所:東京都杉並区高井戸東2-4-5
ホームページ:
https://www.misawa.co.jp/kengaku/park-tokyo/