第3回 コロナに負けない!テレワークでも成功するチームの秘訣は?

2020.5.27

コラム第3回
コロナに負けない!テレワークでも成功するチームの秘訣は?

最終回となる今回は、これまでの内容を踏まえて、テレワークでもどのようにして仕事の生産性や効率を上げていくかについてお話ししていきたいと思います。

チームマネジメントの4要素とは

チームマネジメントで必要なことは、1.役割分担を明確にする、2.目標を明確にする、3.期限を明確にする、4.本人の自発性を促す、の4つです。順番に解説していきましょう。

1.役割分担を明確にする
業務の漏れや重複の予防に役立ちます。特にテレワークではコミュニケーション時の情報量が対面に比べて少ないです。ですので、それぞれの責任を明確にしておかなければ、トラブルの元になってしまいます。

2.目標を明確にする
所属組織の目標やプロジェクト全体のゴールが何なのか、そしてその中で個々人は何が目標なのかを明確にすることで、全員の意思統一を図ることが目的です。これは、対面での業務でも同じですね。

3.期限を明確にする
直接デスクを巡って各人の進捗を確認することができないために重要になります。まずは計画のステージを整理した上で、タスク管理を細分化し、メンバー毎に割り振ります。そして、メンバーの作業を可視化するために、第2回で触れたように、朝礼、終礼で各人の進捗を報告してもらうのがいいでしょう。この時、ガントチャートなどを用いて視覚的に行うとより効率的かと思います。方法は知っていても意外と実践できている組織は多くはありません。

4.本人の自発性を促す
本人のモチベーションを維持することが生産性を高めることにつながります。基本は本人に任せつつ、サポートはきちんと行うというのが原則です。一見当たり前のことのようですが、自宅勤務が長期化するとモチベーションの低下が起こりかねないので、テレワークではより重要になってきます。上司との定期的なおせっかい面談や、朝礼、終礼での報告、情報共有ツールでのリアクションなどの小さいことを積み重ねることが役立つでしょう。

また、業務をトップダウンでただ遂行させるのではなく、本人がその業務のもつ意義を認識することは、モチベーションアップにつながります。よって、「この仕事は〇〇という理由で大切です。だから△△してほしい。」と具体的に説明し、その時々の業務の意義を意識してもらうことも大切です。
「言わなくてもわかるだろう」は禁物です。あなたが考える常識は他の人の常識ではありません。テレワークによってコミュニケーションが減りがちな今こそ、丁寧で細かい説明を行い、相手の理解と同意を確認しましょう。

Web会議を効率的に行うには

Web会議はテレワークでは避けては通れないものですが、対面でないが故にミスコミュニケーションやうまく発言できない、などのリスクをはらんでいます。しかし、Web会議をうまく使いこなせれば、対面での会議と同様、あるいはそれ以上の生産性を生み出すことが可能です。

まずは、発言しやすい環境づくりが大切です。このような環境のことを心理的安全性(psychological safety)と言います。どのような意味かというと、自分が思ったことを発言しても不利益を被ることがないと感じられる状態のことを言います。この心理的安全性が担保されると、参加者は積極的かつ自発的に発言することができるようになります。
反対に心理的安全性がないと参加者は発言を躊躇してしまいます。言いたいことがあっても発言できなかったことは、ありませんか? もしかするとその会議には心理的安全性が保たれていなかったのかもしれません。

グループ内で心理的安全性を保つためには、発言内容に対して否定的な発言をしないというグランドルールの設定が必要です。さらに、1.各人の役割を明確にする、2.最初に近況などの雑談を入れて発言しやすい雰囲気を作る、3.人数が多い場合には定期的にスモールグループを活用するなどの方法も役立つでしょう。

他にもタイムマネジメントも大切です。これは対面の会議でも同じですが、オンラインだと特にダラダラと続きがちなので、開始・終了時刻を明確にし、集中力低下を防ぐために45分会議して5分休憩にするなどの工夫が生産性向上につながります。

またお互いの顔が見えないとコミュニケーションがとりづらいので、ビデオをオンにして、顔を見せることをおすすめします。もし、家の中を写したくないということであれば、バーチャル背景を準備しましょう。話は逸れますが、背景にそれっぽい専門書や洋書などがあると有能感を演出できます(付箋が貼ってあるとなお○)。
あとは目標などを紙に書いてカメラの撮影範囲内に掲げておくとモチベーションの高さをアピールできますし、話題にもなります。これらはテレワークでもできる意欲のアピール方法になります。

集中力低下を防ぐには

テレワークをしていると、集中力が途切れてしまうこともあるでしょう。その時にはどのようにして対応したら良いでしょうか。人間の集中力は無限ではありません。長く仕事を続けていれば、だんだんと疲れてくるので、「仕事をしている感」はでてくるでしょうが、反面、効率は落ちてしまいます。

それを防ぐ方法として、「ポモドーロ・テクニック」というものがあります。やり方はシンプルで、25分作業+5分休憩をひたすら繰り返すというものです。例えば、最初の25分間の間は作業に没頭し、5分の休憩の間にSNSを見たり、少し歩いたりします。人によっては、驚くほど長く作業を継続することができます。ぜひお試しください。

また、同時に脳が処理する情報量を減らすという方法もあります。脳は特定の1つの作業に取り組もうと思っても、だんだんと他のものに気が散ってしまいます。そして、一度意識が逸れてしまうと、元の作業に戻るにはエネルギーを要します。そのためには、最初から気が散らないようにしておく工夫が必要です。例えば、デスク周りを綺麗にする、スマホやPCの通知をoffにする、PCの全画面表示を利用して極力、情報をシンプルにするなどといったことがあげられます。

ウィズコロナ時代を生き抜くには

今後、少なくとも数年の間は、新型コロナウィルスを完全に封じ込めることは難しく、新型コロナウイルスと共存していかざるをえないウィズコロナ時代が継続すると考えられます。残念ながら、コロナ以前の世界に戻ることは難しいとされています。産業革命以降、人類は大都市に一極集中して業務を効率化することで生産性を高めてきましたが、人々が密集することが新型コロナウイルス感染のリスクである以上、同様の方法は通用しません。

テレワークをいかに効率化し、生産性を高めていくかはウィズコロナ時代においては必須のスキルです。テレワークのやり方に習熟しておいたり、戦略を立てておくことが、この時代を生き抜くために役立つのではないかと思います。テレワークを前提としたワークライフバランスをどう改善し、離職率の低下や、育児・介護との両立を図るか、コミュニケーションの質と量をどのようにして担保するか、そういった仕組み作りを少しずつ整備していく必要があります。

もちろん、テレワークは万能ではありません。当然、対面でないと効率が悪いこともありますし、第1回でお話ししたように、オンラインでの業務自体が苦手な人もいます。色々と試行錯誤を重ねて知見を蓄積し、テレワークと対面業務のハイブリッドを模索していく必要があるでしょう。

新型コロナウイルスという突如、彗星の如く現れた存在によって、我々の生活は一変しています。ただ、コロナが憎い存在であることに変わりありませんが、新型コロナの存在が我々が今までしがらみや決まり事によって実現できなかった仕組み作りを一気に押し上げているという側面もあります。くしくも、新型コロナウイルスという人類共通の脅威が出現したことによって、我々は多くの気づきを得ました。ここでの知見を活かして、今後の社会の仕組みを良い方向に変えていくことができるのではないかと思います。

人類は、今、まさに痛みを伴う進化の途上にあるのです。ウィズコロナ時代に適応するための仕組みを作り、ワンチームでこの難局に立ち向かっていくことが、この難局を乗り切る鍵になっていくのではないでしょうか。
以上、全3回に渡り、ウィズコロナ時代の乗り切り方について解説しました。

今後の皆さまのご活躍に少しでも参考になれば幸いです。
(文章:鈴木航太、清水あやこ)

コラム

心理学から読み解くテレワークでの効率の高め方やタイムマネジメント、成功するチームの秘訣などを掲載しております。ぜひご覧ください!

コラム内容
第1回 やり方を変えよう!テレワークでのコミュニケーションの難しさは?
第2回 心理学的に考える!テレワークでの生活リズムの整え方、効率の高め方は?

監修

写真:清水あやこ

清水あやこ

プロフィール
株式会社HIKARI Lab代表取締役。筑波大学大学院非常勤講師。
上智大学国際教養学部を卒業し、外資系証券会社勤務を経て、東京大学大学院臨床心理学コース修士課程修了。2015年、心理ケアサービスのスタートアップHIKARI Labを創業。筑波大学大学院では、システム情報工学研究科にてAIや遺伝子介入が発展した際にヒトの「心」をどう扱うべきか、という主旨の講義を行っている。
【著書】「ちょこっと、ポジティブ。 一瞬で気持ちがふわっと軽くなる35のコツ」(大和出版)、「女子の心は、なぜ、しんどい?」(フォレスト出版)
【監修】「友達100人切れるかな」(作:宮部サチ バンチコミックス)

写真:鈴木 航太

鈴木 航太

プロフィール
株式会社HIKARI Lab CMO・精神科医
大学病院精神科、精神科病院などでの勤務を経て、都内の精神科病院、クリニックなどで診療を行っている現役精神科医師。精神科専門医、精神保健指定医、産業医などの資格を有する。
精神病の早期介入、高齢者のメンタルヘルスなどの領域を主に対象として研究を行っている。HIKARI Labには2016年より参画し、これまで複数の事業に携わっている。

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