戦略総務とは?総務部の役割とあるべき姿、取り組み事例をご紹介

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2023年02月07日 配信
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戦略総務とは?総務部の役割とあるべき姿、取り組み事例をご紹介

戦略総務とは?総務部の役割とあるべき姿、取り組み事例をご紹介
BPO

総務部門の運営方針として、「戦略総務」という新たな考え方が広まりつつあることをご存じでしょうか。総務部門というと、社内の業務管理や統制などの業務支援を行う「縁の下の力持ち」という印象を持つ人も多いでしょう。しかし今回ご紹介する「戦略総務」は、そのような従来からの業務を遂行しつつ、加えて会社を成長させるために総務発信での取組みも行う、新たな総務部門の在り方を指します。近年では「戦略総務」を目指すために、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を利用し、従来のサポート的な業務を外部に委託することも珍しくありません。 今回は、組織運営のあり方が多様化する現在、企業の総務部門が活躍するための「戦略総務」という考え方について整理し、限りある人的資源を活用する方法について解説します。

そもそも「戦略総務」とは?戦略総務の定義について

戦略総務とは?総務部の役割とあるべき姿、取り組み事例をご紹介

一般的に総務の業務は多岐にわたると言われています。社内環境の整備・備品管理・代表電話や来客への対応・役員秘書業務・各部署のサポートなど、その仕事は多種多様です。企業によっては、人事・経理・法務・知的財産の管理など、専門部署が行うような業務を総務が担当していることもあります。

担当部門をはっきりと分類のできない細かい業務を一手に引き受けている総務は、企業が円滑に事業を進めていくためには欠かせない部署です。総務の業務を行うには、さまざまなスキルと、経営陣と各部署をつなぐバランス感覚や調整力、交渉力が必要とされます。

総務の役割の変化

従来は、総務の会社への貢献度に対する社内評価が、その活躍に比例するほど高くない場合もあったようです。しかし企業をとりまく環境が大きく変わる中で、総務への期待と役割も変わってきています。

少子高齢化による労働力不足や働き方の変化によって、いまや多くの企業が従業員の定着率や満足度を上げるべく試行錯誤しています。快適な職場環境を整え、業務の効率化をはかり、従業員のモチベーションを高く保つことで労働生産性を高め、優秀な人材に長く働いてもらうためです。

そのため、各部署と横断的に関わりながらさまざまなサポートをしている総務に、社内全体の労働生産性を高めながら企業自体を戦略的に改善していく役割が求められるようになってきているのです。

戦略総務とは

戦略総務とは、ルーチン化した業務を予定通りに行う従来からの総務機能を維持しながら、企業が抱えている課題を総務の視点から解決につなげる取組みです。具体的には業務の効率化や社内の環境改善を「能動的」に経営へ提案し、企業の成長を継続的に支援していく総務部門の姿を指します。「働き方改革」という言葉が社会に浸透している現在、企業の体質を積極的に改善し、時代の流れに適応させるための重要な役割だと言えます。

営業など企業に直接的な利益をもたらす部門だけでなく、総務も企業の発展に不可欠な部門として改めて評価する企業が増加しており、中にはほかの部門や外部から優秀な人材を総務へ配置する企業もあります。

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業務分析で整理する、総務部門が担う役割

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戦略総務の考え方について整理できたところで、次に総務部門が抱えている業務の分析を行い、実際に戦略的な業務に注力するための方法を考えていきましょう。
一般的に、企業における総務部門は以下のような業務を担っています。

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1.社内環境の整備・改善

「総務部の仕事」というとまず浮かぶのが、備品の購入やオフィス環境の改善、福利厚生制度の運用、社内の安全・衛生管理、従業員の健康管理といった社内の環境を整える業務です。直接的な利益こそもたらさないものの、円滑な組織運営に不可欠な役割といえます。
各部署が基幹業務を実行する上で副次的に発生するタスクの解消やサポートなど、補佐役に回ることも総務部門の重要な業務です。

2.社内重要書類・印章の管理

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多くの企業では、各種契約書や社判・社印など、重要書類や印章の管理も総務部が担っています。
企業の不祥事が相次ぎ、コンプライアンスが強く求められる現在、企業の信用を守る意味でも重要な業務です。組織運営を揺るがすほどの法令違反や情報漏えいを、未然に防ぐための業務ともいえます。

3.経営戦略・意思決定の補佐

経営陣が日々行う大小さまざまな意思決定のために、必要な情報の提供や調査・分析を行うことも、実は総務部の役割です。
例えば、本社機能を移転するような大型プロジェクトを実行するかどうかの最終判断を経営陣が行う際、業界や競合他社の動向、社会情勢、経済の動きなど、意思決定に必要な情報を判断材料として総務部門が提供する場合があります。

4.社内外のコミュニケーションを円滑に進める調整業務

総務部の役割として重要なものに、社内・社外のコミュニケーションを円滑に進める調整役としての業務があります。
具体的には、業務や取組み内容の違いから、壁ができがちな部署間の関係を円滑にする「社内調整役」としての役割や、渉外・広報・代表受付業務など「会社の顔」としての折衝業務などが挙げられます。

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総務部門が「戦略総務」に取り組むには何が必要か

ここまで戦略総務の定義と、一般的な総務部門が担う役割について整理しました。では実際に、総務部門が戦略総務として行動するためにはどんなことが必要となるのでしょうか。

ここからは、「戦略総務」に取り組むために必要な要素についてご紹介します。

業務分析で「より注力すべき仕事」の優先順位を付ける

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日々さまざまな業務に追われる従業員は、一般的に「自分たちが本当にするべき仕事」と「他者でも対応できる仕事」の優先順位を付けられないまま、目の前の業務から取り組む傾向があるとされています。
総務部門が「戦略総務」に取り組めるようになるための前準備として、まずは部門内で抱えているすべてのタスクを洗い出し、全体的な目線で優先順位を付けることが必要です。大小さまざまなタスクを一つひとつ比較することで、「より注力すべき仕事」を見つけることができます。

常にアンテナを張り巡らせて情報収集をする

総務は自社の経営陣や各部署の状況を把握するだけでなく、他の会社における取り組みなどを情報収集し、良い内容は自社にも取り入れる働きかけを行う立場の部署でもあります。戦略総務が会社を変えるという考えを持って、常にアンテナを張り巡らせておくことが大切です。
各部署の現状や困りごと、経営陣の目指す方向性はもちろん、他社や業界の動向なども漏らさずにキャッチし、情報収集・分析することが必要だと言えます。

現場と経営陣をつなぐ

各部門から依頼をうける総務は、各部門と最も信頼関係を結びやすい立場だと言えます。着実に依頼業務へ対応するだけでなく、現場の声を拾う良い機会と捉えて積極的に交流をはかることをおすすめします。収集した情報と現場の生の声を合わせることで、現場を改善するアイデアが生まれてくるかもしれません。
また、トップダウンで経営陣の考えを現場に伝えるだけではなく、現場の声や考えを経営陣に届けていくことも必要です。現場と経営陣をつなぐパイプ役を目指しましょう。

改善のアイデアを積極的に提案する

さまざまな社内の情報が集まってきやすく、現場と経営陣の両方とも交流の機会がある総務だからこそ見えるものがたくさんあるはずです。社内環境や労働環境を改善して従業員たちのモチベーションを上げるためにも、改善の提案は欠かせません。積極的にアイデアを出しましょう。

代替可能な業務の「アウトソーシング化」を検討する

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多くの総務部門で行われている業務の中には、外部サービスを導入してアウトソーシング化できるものもあります。
例えば、消耗品や固定資産、複合機、社用車などの管理、防災備蓄品の管理・情報漏えい教育など定期的に発生する管理業務や、オフィス移転に伴う引越作業、什器の手配といった臨時で発生する業務は、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスを導入しやすい業務です。 限りある人的資源を有効に割り振り、業務を効率的に回すためにも、場合によって外部サービスの導入を検討することが必要といえます。

総務領域のアウトソーシングについて詳しく知りたい方はこちらもご参照ください。
総務BPO・総務委託とは?主な特徴とサービス、導入成功のポイントをご紹介

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戦略総務実現のための取り組み事例

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戦略総務に取り組むためには、何から始めれば良いのでしょうか。これには、現在の総務部の在り方を見直すことで成果を上げている事例を参考にするのが効果的です。
ここでは、 パソナ日本総務部の「総務BPOサービス」を利用した事例をご紹介します。

総務機能にBPOを取り入れる

非鉄金属資源・製錬や使用済み機器からのリサイクル事業、電子材料の製造・販売など、さまざまな業務をグローバルに展開する大手メーカーでは、パソナ日本総務部の「総務BPOサービス」を導入し、総務機能にBPOを取り入れています。

サービス導入前は部門ごとに総務担当者を配置しており、総務サービスの内容や品質が全社で統一されていない点が課題でした。そこで、総務BPOサービスを活用して各部署からの総務に関する依頼をまとめて引き受けるための「総務コンシェルジュ窓口」を設置し、総務業務の統一化をはかりました。
加えて、「定型的な業務を委託することで、これまで各部門の総務業務を担っていた人材が部門内のより重要な業務に取り組めるようになる」と判断したことも、総務BPOサービスの導入を決めた理由のひとつです。
実際に、BPOの導入後は属人化の解消と労働時間の削減に成功しており、総務担当者が部門内のより中核に近い立ち位置の業務に取り組めるようになっています。

BPOとはどのようなサービスか?BPOを導入するメリット

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BPOという言葉をたびたび耳にすることはあっても、一体どのようなサービスなのか詳細までを把握している方は多くないのではないでしょうか。
BPOとは「ビジネス・プロセス・アウトソーシング」の略称で、総務・経理・人事などの組織運営上の管理業務を専門企業に外部委託するサービスのことを指します。総務部門が 行っている業務の一部を専門家に委託することで、企業に以下のようなメリットをもたらします。

限りある人材を「コア業務」に集中できる

さまざまなタスクを限られた人員で対応し続ける総務部門では、まず目の前の業務を処理することが優先されがちです。そこでBPOを取り入れて、業務調査による部門全体のタスクの洗い出しと工数削減を行うことで、優先順位の高い「コア業務」により多くの人的資源を割くことが可能になります。
また、業務を良質かつ効率的に回すために必要なノウハウが蓄積され、総務部門全体のスキルアップにつながる効果も期待できます。

コア業務に集中するための方法や、ノンコア業務のアウトソーシングについて詳細に知りたい方はこちらもご参照ください。

業務の質と効率を向上できる

BPOサービスを提供する専門会社は、各業務に特化した人材を抱えています。そのため、自社人材よりもBPOを利用したほうが、質の高い業務を遂行しやすいと言えます。
また総務部門の業務は属人化するケースが多く、特定の人物でなければ効率よく処理できないケースが発生しがちです。豊富な業務ノウハウを持つ専門会社のBPOサービスであれば、よりスムーズな業務遂行が実現できる可能性が高まります。さらに、業務の属人化から脱却することで、人材の異動に伴う採用や、教育などにかかる工数の削減にもつながり、結果的にコストカットにも寄与すると期待できます。

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BPOを効果的に取り入れて「戦略総務」へのステップアップを目指す

総務部門が「戦略総務」としてさらに活躍するためには、業務分析で現在抱えているタスクを整理した上で、BPOの導入で外部に業務をアウトソーシング化し、その結果生み出された工数を、従業員が本来注力すべき業務や、課題解決に充てることが重要です。
ルーチン化された業務の処理だけでなく、時代の流れや変化に適応していくために経営陣をリードし、その準備に積極的な姿勢で取り組むことが、これからの総務部門に求められる存在価値だと言えます。

株式会社パソナ日本総務部では、「ビジネスコンシェルジュ」をテーマに掲げ、パソナグループが培ってきた人材活用のノウハウと、長年にわたりパナソニックグループの総務業務を受託してきた経験を軸としたBPOサービスを展開しています。単なる業務の代行だけでなく、業務分析や業務の改善・運用までを総合的にサポートし、企業ごとに異なる状況に細かく寄り添ったサービスを提供いたします。

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パソナ日本総務部のBPOソリューション

BPO(業務委託)で自社のコア業務に人材・資源を集中する

当社の強みは、「社会の問題点を解決する」というパソナの企業理念の下に培ってきた人材活用ノウハウと、総合電機メーカーであるパナソニックでの多種多様な業務経験をベースに、あらゆる業種業態のビジネスプロセスを分析し、ノンコア業務とコア業務を適切に振り分け、課題整理、業務設計、運用改善を実施します。そして、貴社がコアビジネスに人材・資源を集中できる環境を作ります。

知力と現場力が組み合わさった提案力

パソナ日本総務部が考えるBPO(業務委託)とは、一般的な「業務整理」だけではなく、企業の未来を実現するための「業務改善」を指します。時には、「業務改革」と呼べるような劇的な変化をもたらすこともあります。
そのために必要な人材が、設計を行うコンサルタントと、それを実現するプロジェクトマネージャーです。多面的な知識を有したコンサルタント陣が、経営陣へのヒアリングなどを通して現状を把握。綿密な分析を経て、それぞれのコア・ノンコア領域を整理し、BPOの設計を行っていきます。
その後、プロジェクトマネージャーが、コンサルタントの設計を実現すべく、業務の再現性などを考慮しながら、BPOを実現していきます。

パソナ日本総務部の総務BPOサービス

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