ファシリティマネジメント(FM)とは?施設管理やPMとの違い、資格まで解説

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ファシリティマネジメント(FM)とは?施設管理やPMとの違い、資格まで解説

ファシリティマネジメント(FM)とは?施設管理やPMとの違い、資格まで解説

企業の経営資源は、一般的に「ヒト・モノ・カネ・情報」であるといわれています。このうち「モノ」は製品やサービス、そしてそれらを生み出す工場・オフィス・設備・機器などのことを指します。
こうした経営に関わるすべての施設とその利用環境を、単に維持して保全するだけではなく、経営戦略的な観点から管理しようというのが「ファシリティマネジメント」です。コスト削減や知的生産性・従業員のモチベーションアップにもつながると、今、日本のビジネス界で強い関心が寄せられています。
今回は、ファシリティマネジメントは従来の施設管理と何が違うのか、どう取り組めばいいのか、その結果としてどのような効果が期待できるのかについてご紹介します。

目次

    ファシリティマネジメントとは

    ファシリティマネジメント(FM)とは?施設管理やPMとの違い、資格まで解説

    ファシリティマネジメントは、企業・団体が持つ設備や利用環境を戦略的に管理し、将来を見据えた最適化をはかろうという、アメリカで生まれたマネジメント手法です。
    日本では建物をつくっては壊す「スクラップ&ビルド」という考え方が主流であったため、当初は「ファシリティを最大限に有効活用する」「運用コストを適正化する」というファシリティマネジメントの考え方はあまり浸透しませんでした。

    しかし、バブル崩壊以降は建設資金などの調達が難しくなり、スクラップ&ビルドを前提に建てられた建物の老朽化で運用コストが増加するようになりました。そこで近年、あらためてファシリティマネジメントに熱い視線が寄せられているのです。

    また平成9年より、日本においてもファシリティマネジメント認定資格である「認定ファシリティマネジャー(CFMJ)」の認定試験が開始されました。 企業や組織におけるファシリティマネジメントの専門知識・能力をはかるこの認定資格によって、日本国内においてもファシリティマネジメントの考え方が広く浸透し、総務や施設管理に携わる多くの人々がこの試験を受験するようになりました。

    ファシリティはコストのかかる経営資源

    ファシリティという単語には、「施設」「設備」「便宜」「便利さ」といった複数の意味があります。ファシリティマネジメントは単純に「施設管理」と訳すことがありますが、それは正確とはいえない場合があります。
    ここでは、企業や団体の経営に関わる土地・施設・設備はもちろん、オフィス空間や人々の利用環境すべてを含めてファシリティとします。

    ファシリティは「ヒト」と同じくコストのかかる経営資源です。建物や工場などを長く使えば使うほど、修繕の必要性などから運用コストは上がっていきます。しかし、運用コスト削減だけに注目し、改善や刷新など最適化の視点がないまま漫然と古い施設などを利用していると、そこで働く従業員の生産性やモチベーションが落ちかねません。

    人材や人件費について経営的な観点から戦略を練るように、一般的に人件費に次いで大きいとされるファシリティコストについても経営的戦略を立てることが大切です。

    ファシリティマネジメントの定義

    公益社団法人日本ファシリティマネジメント協会(JFMA)は、ファシリティマネジメントを「企業・団体等が組織活動のために、施設とその環境を総合的に企画、管理、活用する経営活動」のことだと定義しています。
    つまり、目先のコストだけでなく、将来のことやそこで働く従業員のことなどを見据えた上でファシリティの長期的な最適化をはかるのがファシリティマネジメントです。

    今までの「施設管理」とどう違うのか

    今までの施設管理は、維持と保全が主な目的でした。そのため、問題の発生した場所を修繕・交換・買い替えなどをすることで「問題発生以前の状態」「新築時の状態」に戻すといった管理を行います。
    それに対して、ファシリティマネジメントは経営的・長期的な視点から最適化を行います。

    例えば、空調が壊れたとしましょう。 従来の施設管理では修繕や買い替えを行いますが、ファシリティマネジメントでは「その場に空調は必要なのか」をまず検討します。その場の利用状況によっては空調が必要ないこともありますし、建物の更新期限が迫っているので高いものに買い替えるのは控える、ということもあるでしょう。空調が必要だという場合には、省エネルギータイプのものに替える、その場の高断熱化をはかるなど、何が最適なのかを考えて対応します。

    従来の施設管理は総務などの担当者が行っていましたが、ファシリティマネジメントでは部門横断の枠組みでマネジメントにあたります。そしてファシリティについての情報・現況を常に把握した上で修繕や活用を考える必要があります。

    ファシリティマネジメント(FM)とプロパティマネジメント(PM)の違い

    ファシリティマネジメント(FM)とは?施設管理やPMとの違い、資格まで解説

    ファシリティマネジメント(FM)は、「企業・団体等が組織活動のために、施設とその環境を総合的に企画、管理、活用する経営活動」の意味をもちます。

    企業や組織の土地、建物、設備、備品のほか、オフィス空間での執務環境などもファシリティマネジメントの対象です。ファシリティマネジメントは、今ある施設や設備などを維持・保全することだけでなく、さらに良い在り方の実現に向けて最適化することを目的にしています。

    一方のプロパティマネジメント(PM)は、一般的に不動産オーナー等から委託され、不動産の運営管理などを行うことを指します。例えば入居希望者への契約手続きの案内や家賃の集金、入居者からの問合せやクレーム対応など、不動産に関する管理業務を行うことを指しています。

    参考:JFMA「ファシリティマネジメント(FM)とは」

    ファシリティマネジメントへの取り組み方

    ファシリティマネジメント(FM)とは?施設管理やPMとの違い、資格まで解説

    ファシリティマネジメントは、建物のライフサイクルコスト(以下、LCC)をきちんと理解・把握した上で行わなくてはいけません。
    また情報通信技術(以下、ICT)や独自の手法を活用し、企業を挙げて総合的に取り組むことが必要です。経営戦略・業務管理・実務の各レベルでファシリティマネジメントに関わっていくことが求められます。

    状況に応じて実務レベルの身近なところから取り掛かる、つまりボトムアップができるのもファシリティマネジメントの強みです。

    LCCとファシリティマネジメント戦略

    ファシリティマネジメントに取り組むにあたって、まず知っておくべきことが建物のLCCです。建物のLCCとは、建物を建設してから解体廃棄するまでにかかる費用のことを指します。
    新しく建物を建てるときには建設費にばかり目がいきがちですが、それは氷山の一角です。LCCには固定資産税・火災保険費・光熱費・消耗品費・警備費・清掃費・メンテナンス費といったランニングコストがかかります。加えて、修繕費・什器の交換費といった長く使うにつれて必要になる費用、解体費・処分費といった建物を処分するためにかかる費用も含みます。

    竣工後から解体廃棄までにかかる費用は膨大で、建物の建設費の3~4倍の費用がかかるともいわれています。そのため、ファシリティマネジメントでは「建物を使い始めてからの費用を、快適性などを維持したままでいかに抑えられるか」という戦略が重要になります。

    ICTの活用

    ファシリティマネジメントは、人事・財務・ICTと並ぶ経営基盤です。ファシリティマネジメントの効率を上げるために、ICTも積極的に活用されています。
    例えばITインフラや入退館管理システムの整備など、システム環境やその設備をマネジメントすることに特化したITファシリティマネジメントの需要も高まっています。

    ファシリティマネジメントにおける3つのレベル

    ファシリティマネジメントには3つのレベルがあります。
    1つめは、経営的な観点から統括的なファシリティマネジメント戦略を策定する、経営戦略レベルです。全ファシリティの最適な在り方・目指すべき状態を定義し、そのために何をすべきかの計画を立てます。
    2つめは、それぞれのファシリティを最適な状態へと改善することを目指す、業務管理レベルです。効率化や低コスト化など、業績向上やコスト削減といった企業経営に直結する業務管理を行います。
    3つめは、日常業務の合理化・定量化を目指す実務レベルです。修繕や清掃などファシリティを維持していくために必要な日々の業務の改善に取り組みます。

    この3つすべてのレベルでファシリティマネジメントに関わっていくことが大切です。
    ファシリティマネジメントはトップダウンで推進されることも多いですが、状況によっては実務レベルからボトムアップで最適化に取り掛かることもできます。

    ファシリティマネジメントの目的と効果

    ファシリティマネジメント(FM)とは?施設管理やPMとの違い、資格まで解説

    ファシリティマネジメントの目的は「最小のコストで最大の効果」を得ることです。ファシリティの最適化をはかることで、経営の効率化・従業員やお客様の満足度の向上・企業の社会的責任(以下、CSR)の遂行などの効果が期待できるとされています。

    投資コストの削減

    ファシリティマネジメントによって企業の施設や執務環境の最適化を行うことで、トータルで見た投資コストの削減が期待できます。例えば最新の設備や機器、システムの導入で効率化を進めることで、業務に関わる人員数を削減できれば、人件費やリソース確保にかかる費用も削減できるため全体で見ると投資コスト削減になると言えます。
    また、従業員数の減少によって物理的にスペースを確保できるようになれば、結果として施設や設備の有効活用やスペースの適正化にもつながるでしょう。

    利用者の満足度と生産性の最大化

    ファシリティマネジメントの徹底で、土地や建物、施設設備を快適に運用できるようになることで、結果として利用者の満足度が高まり生産性向上も望めるでしょう。最新設備の整ったオフィスで働く従業員は、設備整備が行き届いていないオフィスで働くよりも満足度が高いことが容易に想像できます。
    オフィスへの満足度が高ければ、「この会社の成長に役立ちたい」「会社に貢献したい」という意識が自然に高まるものです。ファシリティマネジメントが従業員の生産性を最大化し労働環境を改善することで、会社利益の向上や労働環境の改善にもつながります。

    オフィス環境の変化に対する従業員の適応力アップ

    オフィス環境や就業スタイルの変化に伴い、従来と同じ環境では不足していると思われる要素を、ファシリティマネジメントが浮き彫りにし改善に取り組むことで、変化への従業員の適応力向上も期待できます。
    例えばフリーアドレスを導入した時に、気軽にちょっとした打ち合わせを行うスペースや、集中して作業できる個別ブースを設置することで、従来の固定席からの変化にも従業員がスムーズに適応し、生産性を維持させることもファシリティマネジメントの効果だと言えます。

    社会や環境への対応(CSR)

    ファシリティマネジメントによる設備機器の導入や見直しは、社会や環境に対しても良い影響を及ぼす可能性があります。例えば工場で運用中の機器や設備を環境性能の高いモデルに更新することで、脱炭素化やカーボンニュートラルの実現につながり、企業として環境問題に貢献できるようになります。

    パソナ・パナソニック ビジネスサービスにできること

    パソナ・パナソニック ビジネスサービス(PBS)では、ファシリティマネジメントに密接するオフィスの空間設計や移転実務、レイアウト変更などのファシリティマネジメントサービスを提供しています。各業者の見積もり取得や調整、立ち会い・支払いまで一括対応することで、工数削減・納期短縮による効率化やコスト削減ができます。

    PBSのファシリティマネジメントサービスについての詳細は こちら

    またPBSでは、総務や施設管理に日々寄せられるさまざまなリクエスト管理や、施設管理業務を自動化する総務マネジメントシステム「SINGU FM」のサービスを展開しています。また「戦略総務の実現」を目的とした、バックオフィスなど総務部に関連するさまざまな業務を代行するBPOサービスも提供しています。単なるタスクの外注による効率化だけでなく、最終的には導入企業の総務部門がより多くのノウハウを獲得できるようなソリューションを展開しています。詳しくはこちらをご参照ください。

    まとめ

    ファシリティマネジメント(FM)とは?施設管理やPMとの違い、資格まで解説

    ファシリティマネジメントは施設の無駄を省き、するべき投資は惜しまないことでファシリティの最適化をはかります。スクラップ&ビルドの時代が終わった今、経営の効率化にはファシリティの管理にかかるコストを削減しつつ、質・価値・機能性などを向上させていくことが必要不可欠です。
    この機会に、パソナ・パナソニック ビジネスサービスのファシリティマネジメントサービスの導入をぜひご検討ください。

    パソナ・パナソニック ビジネスサービスのBPOソリューション

    BPO(業務委託)で自社のコア業務に人材・資源を集中する

    当社の強みは、「社会の問題点を解決する」というパソナの企業理念の下に培ってきた人材活用ノウハウと、総合電機メーカーであるパナソニックでの多種多様な業務経験をベースに、あらゆる業種業態のビジネスプロセスを分析し、ノンコア業務とコア業務を適切に振り分け、課題整理、業務設計、運用改善を実施します。そして、貴社がコアビジネスに人材・資源を集中できる環境を作ります。

    知力と現場力が組み合わさった提案力

    PBSが考えるBPO(業務委託)とは、一般的な「業務整理」だけではなく、企業の未来を実現するための「業務改善」を指します。時には、「業務改革」と呼べるような劇的な変化をもたらすこともあります。
    そのために必要な人材が、設計を行うコンサルタントと、それを実現するプロジェクトマネージャーです。多面的な知識を有したコンサルタント陣が、経営陣へのヒアリングなどを通して現状を把握。綿密な分析を経て、それぞれのコア・ノンコア領域を整理し、BPOの設計を行っていきます。
    その後、プロジェクトマネージャーが、コンサルタントの設計を実現すべく、業務の再現性などを考慮しながら、BPOを実現していきます。

    PBSの総務BPOサービス

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