パソナグループ

企業防災の基礎知識や具体的な取り組みについてご紹介

  • コラム
  • 企業防災の基礎知識や具体的な取り組みについてご紹介

企業防災の基礎知識や具体的な取り組みについてご紹介

2011年3月11日に発生した「東日本大震災」の経験から、企業が災害への対策を行う「企業防災」の取り組みが急務となっています。企業においては人命を守ることはもちろんのこと、緊急時の事業継続に必要な“備え”も重要です。本記事では、企業防災の基礎知識や必要となった背景、また具体的な取り組みをご紹介します。

目次

    企業防災とは?

    企業防災とは、自然災害の発生において企業が取り組むべき対策を指します。個人による災害対策とは異なる側面があり、「防災」と「事業継続」の 2つの 観点があります。

    企業防災における「防災」とは、従業員や顧客の安全 を確保し、帰宅困難者の発生を防ぐ対策です。飲料や食料品の備蓄・防災訓練・建物の耐震補強がこれにあたります。

    一方の「事業継続」は、後述する「事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)」に基づく対策です。具体的には、事業復旧の手順をマニュアル化し、各種業務のバックアップを図ります。自然災害の影響を最小限に抑え、企業にとって特に重要な業務をいち早く再開することで、損害の発生を最小限に留めるための取り組みです。

    国内企業に防災が必要な理由

    2011年の東日本大震災の発生により、東日本を拠点とする多くの中小企業が甚大な被害を受け、事業の復旧・継続が困難となりました。

    中小企業の事業継続が困難になると、製造から販売までの工程を中小企業に頼る、被災地以外の大企業にも打撃を与えます。よって近年は、従来の防災対策を見直し、災害発生時の対策・取り組みをまとめた事業継続計画(BCP)の策定を、企業間取引の必須条件とする企業が増加しています。

    また日本の企業には、労働契約法第5条に定められた「労働者の安全への配慮」が義務づけられています。もし経営者側が安全配慮義務を怠った場合、従業員側からの損害賠償請求が発生する可能性もあります。

    企業の安全配慮義務に関する裁判例として、2015年1月の「仙台地方裁判所の第一審判決」が挙げられます。東日本大震災で発生した津波により、宮城県・山元町にある自動車教習所で教習生25人、アルバイト従業員1名が亡くなりました。安全配慮義務を怠った企業の責任として、自動車教習所側に19億円の損害賠償命令が出されたのは、記憶に新しいところです。

    企業防災における取り組み

    ここでは、「防災」と「事業継続」への具体的な取り組みの前に、必要な災害対策の作成手順をご紹介します。
    まずは、 どの程度の被害が考えられるのか見当をつけるために、自然災害による過去の被害額を調査 します。災害関連のデータは内閣府が公表している資料の、「企業の事業継続及び防災に関する実態調査」の項目を参照してください。

    続いて、会社所在地の地形に必要な災害対策は何かを調査します。沿岸部や川沿いであれば津波・浸水対策、山林部であれば土砂崩れ対策を盛り込むことが一般的です。平地のいわゆるオフィス街に立地している場合でも、自治体が公表している災害ハザードマップを確認し、想定外の災害発生の可能性がないか確認しておきましょう。

    これらを元に自社の災害対策を作成し、マニュアル化 します。作成した後は、定期的な見直しをおすすめします。作成して保管すれば終了ではなく、改善し続けることが大切です。

    「防災」視点からの取り組み

    防災視点における取り組みとして、防災マニュアルの作成や防災訓練、防災備蓄品の準備が挙げられます。ここでは、具体的な取り組み方法を掘り下げます。

    防災マニュアルの作成・周知と起こりうる被害への事前対策

    防災マニュアルは実際の被害を想定し、現実的に実行が可能かという視点で作成することがポイントです。またマニュアルは作成するだけでなく、日頃から内容を周知・認識させることが大切です。例えばマニュアル内容を取り入れたポスターを、社内に掲出するのも周知方法の一つでしょう。

    また、実際に起こりうる被害への具体的な対策 も重要です。例えば複数の避難経路の確保や窓ガラスの飛散防止、重量のある什器や複合機の転倒防止対策などが挙げられます。

    防災訓練

    地震や津波など、さまざまな災害に対応できるように防災訓練を行います。繰り返し訓練を行うことは重要ですが、企業内で行うことができる防災訓練には限界があるほか、形式的な訓練は“マンネリ化”が懸念されます。社内で防災訓練のアイデアが浮かばない場合、専門家の力を借りるのもひとつの手です。

    地域によりますが、消防署や自治体が防災機器の貸し出しや職員の派遣、講習会などを行っている場合があります。 例えば東京都・太田区では、グループ単位での防災訓練と講習会を実施しています。「煙体験ハウス」や「地震体験車」などを活用し、災害発生時における当事者意識を高めることができます。

    防災備蓄品の準備

    社内に飲料水や食料品、簡易トイレや毛布などを備蓄します。具体的な備蓄量は、企業規模や従業員人数によって変動しますが、自治体が条例で定めているケースもあります。例えば東京都は、残留帰宅困難者対策として従業員1人あたり(3日分)飲料水9L・食料9日分・毛布1枚の備蓄を呼びかけています。

    上記に加え、非常時持ち出し袋・ヘルメット・救急セット・懐中電灯・乾電池・ラジオ・発電機(燃料含む)・マッチ・ろうそく・マスク・生理用品の備蓄も必要です。とりわけ東京・大阪・名古屋といった都市部の企業は帰宅困難者の発生が予測され 、長期に渡り社内に従業員が滞在する可能性があります。企業規模に応じ、適切な量を備蓄することが大切です。

    また緊急時は企業内に、災害対策本部を設置する可能性があります。
    これに備えて、発電機・トランシーバー・大型テント・投光器・工具設定なども備蓄しましょう。特に、災害発生時に生命線となるのが発電機です。使用機器の電力容量に合わせて確保する必要があります。また、精密機器を使用する場合は、インバーター式の発電機を準備しておくことをおすすめします。これにより、災害時に商用電力と同等の電気を得ることができます。

    「事業継続」視点からの取り組み

    事業継続の観点では、緊急時の意思決定に関わるルール作成などを行います。事業継続に多大な影響を与える要因を洗い出すともに、災害発生時にも継続すべき中核事業を選定する必要があります。具体的な取り組みを以下でご紹介します。

    事業継続計画(BCP)の策定

    緊急時における事業継続・復旧の方法や、平常に取り組むべき対策をまとめた「事業継続計画(BCP)」を策定します。ここでいう緊急事態とは、自然災害の他に感染症の蔓延・テロ攻撃などの外的要因があたります。また、個人情報流出などの内的要因も、事業継続計画(BCP)での緊急事態に含む場合があります。

    事業継続計画(BCP)に盛り込む内容として、迅速に従業員や顧客の安否確認を行う体制作りや、緊急時における意思決定のルール作成が挙げられます。また、緊急時における仕入先の被災状況の確認手段と、材料・部品の代替供給先の確保も必須です。

    バックアップ関連としては、中核業務に必要なシステムやサーバーのバックアップや、本社など主要拠点が機能不全に陥った場合に、替わりに司令塔となるバックアップ拠点の選定などが挙げられます。

    事業継続計画(BCP)を策定しなければ、緊急時の混乱により初動が遅れます。従業員や顧客の安全を確保が難しくなることに加え、結果として復旧の遅延により、事業の縮小や業績低迷も考えられます。万が一に備え、早い段階から事業継続計画(BCP)の策定に取りかかることが重要です。

    なお、すでに計画を策定している場合においても、アップデートが必要です。「内閣府」の防災情報ページ に掲載されている「事業継続ガイドライン」などを参照し、定期的に見直すことをおすすめします。

    まとめ

    「自然災害がいつ発生するのか」については、予測がつかないことがほとんどです。災害対策マニュアルや事業継続計画(BCP)を策定し、万が一に備えることが大切です。また、これから本格的な企業防災に取り組む場合、法人企業向けの防災サービスを利用することも有効です。

    防災備蓄品準備の一例として、パソナ・パナソニック ビジネスサービス株式会社では、防災備蓄品の新規購入・在庫管理・賞味期限通知・不要備蓄品引き取りを一括でお受けする「防災備蓄品ワンストップサービス 」を提供しています。防災における危機管理のまずは第一歩として、参考にしてみてはいかがでしょうか。なお、企業防災については、【完全版】防災備蓄品管理のポイントとそろえておきたいリストでも掘り下げております。よろしければご一読ください。

    お問い合わせはフォームからお願いします。

    お気軽に
    ご相談ください。

    お電話での
    ご相談はこちら

    0120-551-036

    9:00 - 17:30 (平日)

    各サービスの導入事例を
    ご紹介しています。

    サービスの資料が
    ダウンロードいただけます。