災害・防災対策に企業は何をすべきか?取り組み事例や行うべきことをご紹介

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災害・防災対策に企業は何をすべきか?取り組み事例や行うべきことをご紹介

「企業防災」という言葉をご存じでしょうか。災害が発生した際、「その被害を最小化するために行うべき対策」と「災害時に事業を存続させ、早期の状態回復を可能にするために行うべき対策」の2つの観点から定義されている言葉です。内閣府や中小企業庁が「企業防災」実施の徹底を啓発しており、各企業が自主的に災害に備えることを求めています。
今回は「地震大国」ともいわれ災害が相次ぐ日本における、企業が行うべき災害・防災対策をご紹介します。

目次

    法的責任が生じる可能性も!災害対策・防災対策は企業の義務

    東京都では2012年より「 東京都帰宅困難者対策条例」という防災対策についての条例を施行するなど、企業防災を実質的に義務付けています。

    また、労働契約法の第五条には以下の文言が記されています。 “使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。” 引用:労働契約法第一章 総則 第五条

    これらより読み取れるのは、企業は従業員の心身の安全を保つことが法律で定められており、企業の災害対策や防災対策には社会的責任だけでなく、法的責任も生じるということです。 そのため、もし自社の災害対策や防災対策が十分でない場合は、できるだけ速やかに企業防災の体制を整えることが必要です。

    起こり得る災害の種類

    2011年の東日本大震災の発生により、東日本を拠点とする多くの中小企業が甚大な被害を受け、事業の復旧・継続が困難となりました。

    中小企業の事業継続が困難になると、製造から販売までの工程を中小企業に頼る、被災地以外の大企業にも打撃を与えます。よって近年は、従来の防災対策を見直し、災害発生時の対策・取り組みをまとめた事業継続計画(BCP)の策定を、企業間取引の必須条件とする企業が増加しています。

    また日本の企業には、労働契約法第5条に定められた「労働者の安全への配慮」が義務づけられています。もし経営者側が安全配慮義務を怠った場合、従業員側からの損害賠償請求が発生する可能性もあります。

    企業の安全配慮義務に関する裁判例として、2015年1月の「仙台地方裁判所の第一審判決」が挙げられます。東日本大震災で発生した津波により、宮城県・山元町にある自動車教習所で教習生25人、アルバイト従業員1名が亡くなりました。安全配慮義務を怠った企業の責任として、自動車教習所側に19億円の損害賠償命令が出されたのは、記憶に新しいところです。

    企業防災における取り組み

    では、実際に起こり得る災害にはどのようなものがあるのでしょうか。日本国内で起こり得る代表的な災害をご紹介します。

    地震

    地震は、地下で地盤のずれが発生することで起こる現象です。日本は国土の多くが海洋プレートと大陸プレートという2種類の地盤の境界上に位置しているため、大小さまざまな地震が発生します。過去には大地震をきっかけとした津波や火災、またそれらを原因とした発電所や燃料プラントの爆発や倒壊という二次災害も発生しています。
    さらに「液状化現象」という、地盤の軟化によりビルなどの建造物が崩れる現象が、埋立地や低地を中心に発生することもあります。
    発生頻度の多さや被害の大きさからも、地震は常に備えるべき恐ろしい災害だと言えます。

    水害・土砂災害

    豪雨や台風といった水害も、日本で数多く発生している災害です。
    とくに2019年には台風で首都圏を中心に全国各地で大きな被害が発生し、交通機関や輸送網、電力などのライフラインがストップしました。
    また、水害による土砂崩れや河川の氾濫などにより、生命にかかわる被害も発生しています。「ただの雨」といって、決して甘く見てはいけない天災なのです。

    噴火

    都市部では珍しい災害ですが、火山の噴火にも注意が必要です。
    現在、日本国内には111の活火山が存在するといわれており、そのうち26の活火山が近年実際に噴火を起こしている、世界有数の火山大国です。
    日本のシンボルでもある富士山も実は活火山であり、もし噴火した場合には首都圏を含め日本全国に大きな被害をおよぼすと予測されています。
    火山の噴火による災害には、火砕流や噴石といった1次被害だけでなく、有害な火山灰が広範囲に拡散することによる2次被害があります。火山灰による身体へのダメージだけでなく、蓄積した火山灰による都市機能の停止なども起こり得るため、企業として対策する必要は十分にあると言えます。

    火災

    ここまで挙げた災害はすべて天災でしたが、火災は天災・人災どちらのケースも想定され、発生頻度や被害の大きさを考えると必ず対策すべき災害です。
    定期的な避難訓練の実施、消火設備の点検や脱出経路の確保などを必ず行うことをおすすめします。

    企業が制定すべき災害時の行動マニュアル「BCP(事業継続計画)」とは

    ここまで企業の防災対策が義務であることや、起こり得る災害についてご紹介しました。では、もし企業が実際に災害に直面した際は、どのような行動を起こせばよいのでしょうか。

    BCP(事業継続計画)とは

    企業防災において必須とされているのが、「BCP」という災害時にとるべき行動マニュアルの制定です。
    BCPとは「事業継続計画」という意味で、「Business Continuity Plan」の略語です。企業が自然災害やテロ行為などの緊急的な災害に直面したとき、発生する被害を最小限に食い止めつつ事業の早期復旧を目指し、行うべき活動や緊急時の対応方法を事前に決定しておく計画です。非常事態に強い組織を構築するための、経営戦略の一種としても捉えられています。

    中小企業庁や内閣府が、国内の各企業に対してBCP策定の啓発を行っており、緊急時の従業員の安全確保や、企業活動停止の防止を目指してガイドラインを交付しています。

    「BCP」の内容

    BCPを社内で策定する際、基本的にはつぎの内容に沿って作成することが求められています。

    1.復旧すべき中核事業の制定
    2.中核事業の復旧についての目標時間
    3.緊急時の経営体制についての取り決め
    4.オフィスや会社設備、流通などについての非常時運用ノウハウの決定
    5.各従業員と企業間での災害時対応についての取り決め

    参考:中小企業庁

    緊急事態発生時に、事業に関する資産への損害を最小限にとどめつつ、予め策定した中核事業の継続や早期復旧を実現させるために、BCPでは平常時に取り組んでおくべき活動や、実際に事業継続するための具体的な方法や手段などを取り決めておきます。

    「BCP」と「企業防災」の違いとは

    ここまでの説明から、「BCPと企業防災は同じなのではないか」という疑問を抱いたかもしれませんが、厳密には異なります。
    BCPが「事業自体の存続」による、企業と社会との関係性維持を主な目的としているのに対して、企業防災は「従業員の心身の安全性確保」のための「避難経路の策定、応急対応」など、人命確保を主な目的としています。
    上記のことから、BCPは事業の存続を中心に考える計画、企業防災は従業員の生命を守るための計画であり、会社規模を問わずどちらも制定すべきものといえるのです。 。

    防災・BCP対策をしている企業事例

    さいごに、実際に防災対策を実践している企業の事例をご紹介します。

    プルデンシャル生命保険株式会社の「大規模災害対応模擬訓練」定期実施

    大手外資系保険会社のプルデンシャル生命保険では、2011年11 月より社内で大規模災害に特化した防災訓練を定期的に実施しています。これまで66回行い計1,540名の従業員が参加しています。
    プルデンシャル生命保険が実施している防災訓練の特徴は、シナリオを事前に提示せず行う点です。
    台本通りに行うだけの防災訓練では、訓練の形骸化により不十分な内容で終わることが懸念されますが、あえてシナリオを提示しないことでリアリティの増強と有事の危機管理能力向上を目指しています。

    京セラ株式会社の「噴火の被災経験を教訓としたBCP策定」

    京セラの鹿児島国分工場は、2011年1月の新燃岳噴火によって周囲の道路封鎖や工場への火山灰侵入といった被害を実際に経験しています。
    この経験を糧としてBCPを一段階向上させ、政府発表の噴火警戒レベルに応じた細かな対応ルールを構築しました。
    また噴火災害は影響が長期化する傾向があるため、いち早く通常業務に戻ることができるよう過去の経験を活かし、火山灰を回収するための重機の調達や、工場建屋への粉塵侵入防止対策などを行っています。

    まとめ

    今回ご紹介した事例はあくまでも一例であり、さまざまな災害へ対応するには企業ごとの事業内容、規模などを踏まえて企業毎に対応策を考える必要があります。 パソナ・パナソニック ビジネスサービスでは、パソナグループとパナソニックグループのさまざまな事業所で培った豊富な経験とノウハウを活かし、防災備蓄品のワンストップサービスやBCP策定支援などのサービスを提供しています。 企業防災やBCP対策にお悩みの場合は、ぜひお問い合わせください。

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